文・写真/ふじたのぶお
暗中模索の開催を続ける軽トラ新鮮組だった。月によっては大勢のメンバーが揃い、ときには当日になってみて寂しい数の軽トラしか集まらない事が判明したり。また運営上の連絡が滞るなど、体は成しているもののチグハグな営みが続いていた。それでも商店街で軽トラ市が開催されるだけで噂は大きくなっていく過渡期をすごしていた。
「軽トラ新鮮組協議会準備委員会」むしろ、それは軽トラ新鮮組のメンバーから自発的に生まれた動きだった。名前は物々しいが、つまり仲間同士の連絡をスムースにして活動のロスを減らそう、皆でリーダーを決めて効率的な運営を行おう。やましろ商工会の音頭でメンバーが一堂に会する議場へ、商店街を代表して赴いた。
車座に並んだ机に座ると、初めてメンバー全員の顔が向かい合った。どこの誰という基礎的な事から話し合いは始まり、やがて商店街の現場における不満や改善案まで飛び出し、議論は想像以上に白熱。それまで商店街では、来て頂いている感覚が拭えなかったが、これは明らかに自分たちの活動として捉える自覚をメンバーの方々が持っている。
回を重ねるごとに軽トラ市は確実に成長していたのである。やましろ商工会が事務局を受け持ち、正副リーダーが採決され、いよいよ軽トラ新鮮組は組織として確かな歩みを始めた。
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