文・写真/ふじたのぶお
軽トラ市「軽トラ新鮮組!」はニュースになって、すぐに人気を博しました。マルシェという言葉の認知度も低かった当時、商売人の集団である商店街が、自分たちの商売ではなく、外部から店を呼び集める逆転の発想。各地の新鮮野菜が安価に並ぶ店び、生産者が自ら育てた作物を嫁に出すような気持ちで扱う様。そこに生まれる商店街の賑わいなど、一見すると順風満帆。噂が噂を呼んでイベントは軌道にのったように見えました。
しかし課題は山積。商店街の朝市に出れば知名度が上がる。早く行かねば良い品物が売り切れる。こうした現象はいくつかのトラブルに繋がりました。売れると分かった業者が市内外から我先に出店してくると、市民の購買益はすべて市外へ持ち出されて循環しないので、まず出店者を岩国市内の里山に制限して地産地消を目指しました。次に前倒しになった開催時刻を是正して、商店街各店の営業時間とアーケード街の賑わいが同調して相乗効果を生み出すスケジュールを立てました。そのほかにも、街と軽トラ市の関わり合いに主眼を置いて、生産農家、里山の地域、消費者、商店街など「軽トラ新鮮組!」に参加する全員が得をするWIN−WINの関係を築くことで、ブレないコンセプトを確立して、継続的な催事として定着させた軽トラ市でした。
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