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(山口新聞「東流西流」2023年に連載されたコラムをアーカイブ化しました)

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軽トラ市「軽トラ新鮮組!誕生」


文・写真/ふじたのぶお

 雫石は遠い。実際に体験してみたいが訪問はかなわず、私は話しを聞きイベントの様子を伝える報道などを集めて調べ上げました。生鮮野菜や加工食材を扱う生産農家が、自家製品を載せた軽トラックで集って販売を行う。仕掛け人は場所を用意して、集客広告に励む。商店街は誰にでも便利な好立地にあって、多様な店が集まっている場所。そこへ軽トラ市を持ち込めば、相乗効果が生まれ街が覚醒するに違いない。アイデアは固まった。

 簡単な事のようでも、民間の広場ではない商店街の路上には細かい規制がある。また食品販売には衛生や健康にかかる責任が生じる。仲間内のバザーとは訳がちがう現実に私は面食らいました。最難関は、野菜を売るために軽トラを運転して、駅前まで来てくれるプレーヤーを探し出すこと。商店街は最終消費者に品物やサービスを提供するために創られた場所。生産農家の知人もいなければ、たどる人脈も無い。途方に暮れていたところへ、偶然の幸運が重なった。夏祭りイベントの参考にするため、私はやましろ商工会を訪ねた。用向きが終わり帰りかけたところへ、時の事務局長である里山の専門家が登場。過疎化する里山地区を活性化させるために、商店街へ赴いて軽トラ市を催そうと模索していたが、街や商売人に接点が無くためらっていたという。興奮気味に計画は進み、相互が補完して第一回の軽トラ市は開催。新鮮野菜を扱う、その名も「軽トラ新鮮組!」として。

(許可なく転載お断りします)
第1回「軽トラ市前夜」
第2回「軽トラ新鮮組!誕生」
第3回「課題とコンセプト」
第4回「手応え」
第5回「発展」
第6回「未来」(完)