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軽トラ新鮮組!って何?

「商店街にもう一度、賑わいを!」
 中通り商店街では商店街活性化のために様々な事業を行ってきました。国や県、市の助成事業もあれば、独自の財源で可能な限りの取り組みをしましたが、事業費用が大きくなると、どうしても継続できない過去の歴史がありました。
 岩国市が広域合併をすると、近隣の里山にはたくさんの活性化資源がある事に気付き、一方で、里山に暮らす方々の「街で楽しみたい」と思う気持ちがあると知りました。そこで、里山と街場の交流をエネルギー源にしたアイディアを考え、やましろ商工会へ相談に行きました。

商店街藤田:「生産者の方々に、軽トラへ新鮮野菜や加工産品を載せ、商店街のアーケードに来てもらい、半日の産直販売をして頂くことは出来ませんか?」

やましろ藤井:「それを考えていたところです。さっそく当たってみましょう」


 話し合いはトントン拍子に進み、平成21年12月に「地方の元気再生事業」として約70万円の助成を受け、第一回軽トラ新鮮組!が実現しました。


「仏マルシェがお手本」
 軽トラ新鮮組!は、なによりも手軽に開催ができるところが肝。実施に至る準備は、軽トラへ商材を載せて集合するだけ。軽トラのあおりを落とせば、たちまち販売台となります。撤収も同じく、荷台を戻すだけで即完了。フランスの路上市場として言われる「マルシェ」のようなもの。小さなコストで継続開催ができる仕組みがポイントです。
 販売するのは生産者のメンバー。商店街のメンバーは道路使用許可を取得したり、幟旗やPOPカードの書き方など、得意分野である売るためのノウハウを提供します。
 実際に定期開催をしてみると、まもなく固定客がつきました。それも生産者と消費者が直接繋がるために、安全で安心な食材の流通が成り立ち、価格もお値頃感がいっぱい。
 最近では作付けの要望なども相談されていて、出店される生産者のメンバーも手応え充分のようです。
 今後は「軽トラ新鮮組!」の周知活動と、出店者グループの組織化を行い、より手軽に開催できるよう、強固な基盤を醸成することが課題です。

「win-winと街なかコミュニティ」
 軽トラ新鮮組!を実践してみると、いくつかの事が見えてきました。野菜を作る農家の人は街へ繰り出し、稼ぐ機会が生まれて良し。消費者は新鮮で安価な野菜が農家の人から直接買うことができて良し。商店街は人が集まって賑わい、商店が栄えて良し。新たなスタイルの街なかコミュニケーションが生まれ、そこに関わったすべての人が喜ぶ三方良しのwin-winが生まれていたわけです。
 win-winはその後も発展し、近隣の飲食店が熱心な農家と巡り会うチャンスとなり、それが契約農家に発展したり。普通の主婦が郷土料理を学ぶ機会が生まれたり。子供を連れて里山を訪ねる食育に発展したり。
 人と物が交わり、そこに事が加わることで街が目を覚ます。中通り商店街の軽トラ新鮮組!は岩国駅前の元気の素として末永く自立運営していくことができるようになりました。

(許可なく転載お断りします)