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(地域開発2012年12月掲載)
岩国市・中通り商店街の軽トラ新鮮組!
街おこしは里山を使え

2)企画概要書と広報

文・写真/ふじたのぶお

 中通り商店街では、岩国の中山間部4町村、山代地域をまとめる「やましろ商工会」をたずねたところ、偶然にも、山代地域でも軽トラ市の構想を持っていた。たちまち合意をえて、商工会が軽トラ市のメンバーを集め、商店街側は、道路使用許可などの許認可事項を、また広報の役割をになうことで役割分担が決められた。

 商店街振興組合の軽トラ市で既存店と競合する商材を販売した場合、見知らぬふりをしていると必ず不平が生まれる。運営陣では「協働」を理想にかかげるが、実質的な利害をもつ商店主には承伏できない。開催期日を競合させないよう図り、軽トラ市参加者に対して賦課金の日割り分を徴収するなど、具体的に道理が通るような配慮が必要になる。

 役者が決まったら、全員が共有するための企画概要書を作成する。事業推進の地図になる重要なもので、本書には、実施団体や後援先の情報、期間、場所、問い合わせ先、担当者などを明記し、目的や内容を端的にまとめる。またスケジュールや将来性、留意点なども併せて記載しておく。

 企画概要書は、関係機関のすべてに配布。内容が変更になったときには、第二版、第三版として同様に配布することで、常に最新の状況が各々の立場で理解できるよう配慮する。

 メディアに対しても漠然としたリリース文書を投げるだけなく、日頃から担当記者やプロデューサーに対して情報提供を行い、話しやすい環境をもっておく。企画概要書は、メディアに対しても一元的に繋がる重要なツールになる。

 情報提供の道筋ができたら、メディアが採り上げやすい仕組みを採り入れる。いわゆる「目玉」や愉快な人物、オンリーワンなどのキーワードを作り、キャッチコピーなどに織り込むことで、取材へのきっかけが生まれる。事業の社会性や公益性を押し出すことも有効。小さな予算で大きな宣伝効果を求めるには、メディアとの接点が大きな役割を果たす。

(許可なく転載お断りします)
1)現代商店街の元気再生
2)企画概要書と広報
3)実践「軽トラ新鮮組!」
4)人と物を覚醒させるのは「事」
5)課題